遺言・相続に関するコラム

相続の法律相談で多いのが,「親の面倒をずっと看てきたのに,相続分は多くならないのですか?」という質問です。 いわゆる「寄与分」の話です。 今回は,寄与分に関する,素朴で,かつ,根本的な問題を深く掘り下げてみたいと思います。 寄与分とは,簡潔に言うと,相続人が被相続人の財産の増加に貢献した場合に,多めに遺産をもらえるという制度です。...
今回は,遺産の争いで起こる使途不明金問題についてお話しします。 例えば,親が亡くなってその子らが遺産分割の協議をする場合,一般的には親が亡くなった時点で残っている遺産の分け方について話し合います。 しかし,そうではなく,「親の生前に親のお金を使い込んだのではないか」ということで紛争が起きることがあります。...
遺言の効力という場合,形式的効力と実質的効力があります。 形式的効力は主に自筆証書遺言で問題となります。 自筆証書遺言とは,「自筆」つまり,自分で筆記する遺言です。 (この他に公証人が作成する公正証書遺言などがあります。) 形式的要件というのは,その要件が揃っていなければ,中身に入る前に遺言書全体が無効になるというものです。...
遺産分割について,当事者の間で話し合いがまとまらない場合は「家庭裁判所」に「遺産分割調停」を申し立てることができます。 そして,「調停」は話し合いですから,「調停」がまとまらない場合は,「審判」といって「家庭裁判所」の裁判官が遺産の分け方を決定します。 では,そもそも,「遺産の範囲」に争いがある場合はどうなるでしょうか。...
遺産の分割の方法としては,4種類あります。 「現物分割」「代償分割」「換価分割」「共有分割」の4つです。それぞれ,メリットとデメリットがあります。 「現物分割」とは,遺産の現状をそのままの状態で分割することです。 例えば,遺産の中に複数の不動産がある場合,各相続人が1つずつ不動産を取得する,というようなものです。...
相続について,遺言書がない場合で相続人が複数いる場合,遺産分けについて相続人の間で協議をすることになります。 例えば,子ども2人が相続人の場合,2人で話し合って,分け方について話し合いをします。話し合いの結果,合意ができれば何の問題もありません。合意に基づいて遺産を分けることになります。 話し合いがまとまらない場合は問題です。...
遺留分とは,被相続人が有していた相続財産について,その一定割合の承継を一定の法定相続人に保障する制度です。 具体的に見ていきましょう。 例えば,遺言で二人の子供のうち,「長男だけに全財産をあげる」と書いた場合,他の子供の遺留分を侵害することになります。 「遺留分を侵害する」とはどういうことでしょうか。...
遺産相続で「特別受益」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 「特別受益」というのは,相続人間の公平のために考えられた制度です。 例えば,父親が亡くなり,子供二人が残されたとします。 父親の遺産総額が1億円あるとします。 遺言はないとします。 この場合,単純に民法の法定相続の規定に従えば,子供ひとりにつき5000万円です。...
今回は「寄与分」について書いてみます。 遺産分割において「寄与分」というものが問題となることがあります。 今回はこの「寄与分」について書きたいと思いますが,まずは,基本的な法定相続分を確認しましょう。 例えば,父親が亡くなり,兄弟3人が遺産の分け方についてもめているとします。既に母親は父親より先に亡くなっているとします。...
今回は「相続」について。 相続というと範囲は広いのですが、今回は全般的なことを書きたいと思います。 相続とは、平たく言えば、財産などの権利義務を承継することです。 相続には、大きく分けると遺言がある場合とない場合があります。...