今回は、「財産出資型」の寄与分の特徴について述べます。
財産出資型の寄与分とは、相続人が、被相続人やその事業に対して、財産上の給付あるいは財産的な利益を提供して財産を維持・増加させ、あるいは、債務の返済等により被相続人の財産の維持に寄与する類型です。
この類型の特徴は、他の類型で要求される「継続性」や「専従性」が必要とされない点です(財産を出資したことが直接的に財産の維持・増加に寄与しているので)。
したがって、具体的要件としては、①特別の貢献、②無償性ということになります。
寄与分が認められた場合の寄与分額の算定方法としては、例えば、被相続人が不動産を取得する際に相続人が金銭を出資した場合、
寄与分額=相続開始時の不動産価額×(出資金額÷取得時の不動産価額)
という算定方法が一例です(全ての裁判官がこの方式を用いるとは限りません)。