相続案件を扱っていると、しばしば被相続人の貸金が問題になります。例えば、被相続人が知人や相続人にお金を貸していた場合があります。 このような場合、被相続人は「貸付金」という債権を保有していたことになります。このような「貸付金」は「遺産」に含まれるのでしょうか。...
特別受益による持戻し義務があるのは「共同相続人」(民法903条1項)ですが、代襲相続の場合に「共同相続人」をどう考えるべきかという問題があります。 この問題については、特別受益を受けた者が「被代襲者」なのか、「代襲者」なのかを分けて考える必要があります。...
今回は祭祀財産について書いてみたいと思います。 祭祀財産とは、「系譜」「祭具」「墳墓」の3つのことを指します(民法897条1項)。 「系譜」とは、祖先から子孫へと代々続く血縁関係のつながりを記したものであり、家系図や過去帳のことです。...
今回は、「負担付相続させる遺言の取消しが認められなかった事例」(仙台高裁令和2年6月11日決定)について解説します。 「負担付相続させる遺言」とはあまり聞き慣れない言葉ですが、「負担付遺贈」と同様のものと思ってください。...
相続の相談では、「被相続人の遺言書があるけど、作成した時点で被相続人は認知症だったので無効ではないですか?」という質問がよくあります。 この質問には一言で答えることはできません(たいていの質問も一言で答えることは難しいですが・・)。 あえて一言で答えるとすれば、「遺言能力のない状態で作成した遺言書は無効です」となります。...
今回は、「遺産確認請求訴訟」についてご説明します。 遺産分割を行う場合、通常、「何が被相続人の遺産であるか」(遺産の範囲)について争いはありません。 遺産分割で揉める場合は、たいてい「遺産の分け方」で争いになるのです。 しかし、稀に、遺産の範囲が争点になることがあります。...
相続人の廃除とは、被相続人の意思によって推定相続人から相続権を剥奪する制度です。 「どうしてもあの子には遺産を残したくない」というような場合に使える強力な手段です。 ただし、相続廃除のための要件は法律で決まっており、手続についても法律で決められた方法を採る必要があります。...
被相続人の死後において、被相続人名義の建物に相続人が居住し続けていることが問題となることがあります。 例えば、次のような事例を考えてみましょう。 【事例】 父親A名義の建物に長男Bの家族が同居していたところ、父親Aが死亡し、相続が開始した。相続開始後も長男Bの家族は居住を続けている。 相続人は長男Bと二男Cの2人である。...
遺産分割で揉めることの一つに「特別受益」があります。 「特別受益」とは、共同相続人の中に被相続人から遺贈を受けたり生前贈与を受けたりした者がいる場合に、 相続人間の公平を図る制度です(民法903条1項)。...
遺産分割の相談を聞いていると、「不動産は時価で評価するのですか?」「時価は誰が決めるのですか?」という質問をよく受けます。 この質問については、段階をおって説明することになります。 まず、原則的に、遺産分割は相続人が話し合って遺産の分け方を決めるものです。...

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